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2010年7月26日月曜日

協力と裏切りのゲームマンガ

協力と裏切りはゲームの醍醐味の一つ。もちろん、人生の醍醐味の一つと考える人もいるでしょう。人生はゲームなのですから。でも、ゲームは人生ではありませんので、のめりこみすぎには注意しましょう。

さて、ゲームマンガといえばビデオゲームのキャラクターを使ったマンガを想像するかもしれませんが、あんなものはゲームマンガではありません。ファン狙いの搾り取り商品です。協力と裏切りをテーマにしてこそゲームマンガです。

代表的なゲームマンガに「カイジ」があります。カイジは、独特のルールを持つゲームに参加する債務者の話で、登場人物が考えて行動して、協力して裏切って、勝者と敗者が決まるさまが描かれています。

それも、普段ボケっとしている私たちが考えもしないくらい、深く、ときに浅はかに考え、推理して答え合わせをします。読み進めると、いつも使わない脳神経が刺激され、アハ体験に近い感覚を味わい、マンガを読むだけなのに、知恵熱が発生してドーパミンが分泌され、充実感を味わうことができるでしょう。



カイジは裏切りがメインテーマです。裏切りの味つけのために協力が描写されることはありますが、協力を表現するために裏切りが存在することはありません。

しかし、同じく協力と裏切りをテーマにしたゲームマンガの「ライアーゲーム」は、協力がメインテーマです。カイジと同じように、独特のルールを持つゲームに参加する債務者が、考えて行動して、協力して裏切って、勝者と敗者が決まるさまが描かれています。

ライアーゲームがカイジと異なる点は、主人公である神崎直が、素直で正直な性格のため、協力こそが必勝法だと信じて疑わずに行動する点です。ちなみに、ドラマや映画では戸田恵梨香が演じています。

協力と裏切りのゲームで、協力しか選択肢を持たない戦略が、他の参加者の喰い物になってしまうことは、「囚人のジレンマ」で有名なように学術的にも証明されています。そのため、物語内では、パートナーとなる人物がバランスよく協力と裏切りを配分し、良い参謀として活躍します。

協力と裏切りのゲームを期待して読む読者は、このライアーゲームの神崎直のバカ正直っぷりに、イライラすることもあるでしょう。なぜこの人物が主人公なのか理解できないと、フラストレーションを溜めることもあるでしょう。



ただ、物語を読み進めると、そのバカ正直な協力戦略が、多少なりとも勝利に結びつく場面が出てきます。そして、協力戦略が勝利のキーとなるような話にシフトしてきます。

そこでも、協力と裏切りのゲームを期待して読む読者は、ご都合主義で嘘くさいと感じてイライラしますが、そのうち、協力戦略が最強の戦略となることこそが、リアルだと感じるようになります。

冒頭で述べたとおり人生はゲームです。この世の中はゲームで結果が決まります。では、ゲームと同じように協力と裏切りのちょうどいいバランスの戦略、つまり、うまく裏切りを使うことが現実世界でよりよい成果となるかというと、そうではないと感じるでしょう。

想像もつかないほど大量で多様な人がいるようになった現代では、その力を一つの成果に結びつけることこそが、最強の戦略になってきました。ただし、その戦略は実現が非常に困難な道でもあります。

では、最強の協力戦略を使うとして、どのように実現すれば良いのでしょうか。巷には多くのマネジメント本があり、人をどのようにマネジメントし、協力できる環境をつくるか書かれていますが、とても専門的で、毎日マンガばかり読む人は簡単には理解できません。

しかし、簡単にマネジメントのいろはを学べる本がありました。

 

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメント」を読んだら」です。

主に企業のマネジメントについて書かれたドラッカーの本を、高校の野球部という具体例を使った分かりやすい物語にして解説しています。ドラッカーのマネジメントが辞書だとすると、この本は例文集です。ドラッカーのマネジメントがAPIリファレンスだとすると、この本はサンプル集です。

具体的に書かれた文章の方が、理解が早くて分かりやすかった経験は、誰もが持っているのではないでしょうか。実際に、読んですぐに理解できる実用的な内容に、サンプル集の即戦力を実感しました。

例えば、マネジメントすべき対象が、誰を顧客として何を使命とした集団なのか、定義付けすることから始めるべきだと、ドラッカーのマネジメントには書かれています。

主人公みなみは、野球部の顧客を、単純に学校の人や野球部員とは定義せずに、野球を観に来てくれる人全てと定義しました。野球部の使命を、野球の試合を観に来てくれる観客を感動させることと定義しました。そして、よりたくさんの人を感動させるために、甲子園へ行くことを目標として設定しました。

別の例として、ドラッカーのマネジメントでは、GMのキャデラックが、車を移動手段と定義せずにステータスと定義することで、適切な顧客や使命が設定でき、事業を成功させたと書かれていました。なるほど、目からウロコが落ちるのを感じました。

適切な顧客や使命を設定することで、方向性がぶれずに進むことができます。方向性がぶれなければ、それぞれ違った能力をもつ人の力を、どのように合わされば一番よい成果が出せるのか、考えることができます。結果、うまく協力できる集団を形成できます。

他にも、マネジメントに関する様々な方法や考え方が、分かりやすく書かれています。人の力は、上手く合わされば、2倍にも3倍にもなりますが、失敗すればマイナスにもなります。必勝法はありませんが、マネジメントを知ることで勝率を上げることはできるでしょう。

3 件のコメント:

  1. 仲間で力を合わせて結果を出す。

    難しいことかもしれないけど、チャレンジし甲斐がありますね。

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  2. うーん。

    かなり温めてきたネタやったけど、
    イマイチやったかw

    なにがマズかったんかな?

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  3. 書評としてはおもしろいけど、前半と後半の繋がりが
    希薄というかやや強引に感じるかも?

    文章量が多いのも相まって、後半を読んでるときには
    前半のことを忘れてしまって、それが少し勿体無いと感じました。

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